【新宿スワン】アンダーグランドの世界のぞいてみませんか?スカウト、ホスト、闇金の仕組みが良く分かります。

スカウトの仕事

主人公の白鳥龍彦は、無駄に正義感の強い一般人。新宿歌舞伎町で、一流スカウトマンの真虎に出会います。

真虎は龍彦にご飯をおごってあげ、龍彦に自分が何の仕事をしているように見えるかと尋ねます。
そして、平然と「女だまして金稼いでるの」と告げ、
自身の仕事であるスカウトについて、次のように説明します。

水商売!
風俗!
AV!
そーいう仕事を紹介する
それがオレの生きがいなんだ
世間一般にあまり知られていない闇の部分の仕事・・・
だからこそスカウトはおもしれぇー

新宿スワン1巻

これに感化された龍彦、そのままスカウトの道を歩み始めます。
純朴な龍彦が、落ちていく女性をみて悩みながら、成長していきます。

水商売循環の法則から外れた女性の末路

あるとき、真虎は、龍彦に「水商売循環の法則」を説明します。
⇒ 女性が水商売で稼いでホストに貢ぐ 
⇒ 借金が増えて闇金に頼る 
⇒ 女性はスカウトに頼る 
⇒ スカウトは女性を店に紹介して稼ぐ 
⇒ 女性が水商売で稼いでホストに貢ぐ 
なんか終わりのない循環ですね。
辛いもんです。

ホストに貢いで、1200万円の売掛をつくってしまった女性。
その女性を、水商売循環の法則の乗せようとしますが、その女性は、未成年でした。
未成年だった女性は、そのサイクルにのることができず、結局、ヤクザに連れていかれてしまいます。
違法な風俗で働かされることになるのでしょう。

龍彦は、真虎に、そのサイクルが、全然うまく回っていないことを質問したところ、真虎は、こう答えます。

そのサイクルはあくまで”金”の流れの話
人間は別なんだ
金の補充は利かないけど人間の補充はいくらでも利く
歌舞伎町は入れ替わりの激しい街だしね・・・

新宿スワン1巻


いや~、本当に救いがありません。
人間の補充はいくらでも利くって、なんだか悲しい話ですよね。

新宿スワンの感想

新宿スワン、こういったアンダーグラウンドの話が、延々と続きます。

主人公の龍彦が、経験を積むたびに頼れる男になっていきます。
そして、根っこの正義感の強い部分は変わらないから、どんなに悲惨な話でも、心が腐らずに読めてしまうんですよね。

現実にかかわりあいになることも少ない世界ではありますが、怖いもの見たさ、現実を知るという知的好奇心から、また、やはり作者の力量により、どんどん引き込まれていきます。
好き嫌いはあるとは思いますが、すごく面白いですよ。

映画化されています!真虎役は世間で話題のあの人

新宿スワン、主演綾野剛で、映画化もされています。
なんと、真虎役は、先日、大麻で逮捕された伊勢谷友介。
因果を感じてしまいますね。