【東京喰種】主人公金木研の葛藤と人間的成長が魅力的な作品です!

冒頭のシーン

食物連鎖の頂点とされるヒトを…
”食糧”として狩る者たちが存在する…
人間の死肉を漁る化け物として
彼らはこう呼ばれる…
・・・「喰種」と

東京喰種一巻

冒頭、題名にもある喰種の説明がありますが、読んで字の如く、人肉を食らう種、それが喰種。
本作は、普通の人間だった主人公金木研が、喰種の女性リゼに食糧として狙われ、ある事故から、そのリゼの臓器を移植されたところから始まります。

極度の空腹と人肉への忌避感、喰種の拒絶

臓器移植を受けた主人公は、普通の食事がとれず、人肉を欲します。
しかし、元々人間の主人公は、人肉を食べることに対して強い忌避感を抱きます。

ヒ…ヒトの肉なんか喰べられるわけないだろ…
喰べられるわけないじゃないか…ッ
僕はッ…
僕は人間だッ‼
お前ら化け物と違うんだあッ‼

東京喰種一巻

臓器移植を受け、隻眼の喰種になってしまった主人公
人肉への渇望がリアルに描かれ、その苦しみが分かります。
しかし、元が人間である主人公は、喰種を化け物と断罪し、人肉を食べようとはしません。主人公のおかれた立場が丁寧に描かれて行きます。

赫子の覚醒と主人公の自覚の発芽

大学生として人間のように暮らす喰種西尾錦の存在に気付いた主人公は、親友である永近ヒデと一緒にいたときに、その喰種に襲われ、なすすべもなくボロボロに。
その親友が殺されそうになったときに、覚醒。
喰種の身体的特徴である赫子(かぐね)により、敵対する喰種を一蹴します。
赫子にも強弱があり、実は、主人公に移植された臓器をもっていた喰種は、作中、最強クラスの赫子の持ち主だったりします。

無事に、敵対する喰種を倒した主人公ですが、極度の空腹感により、親友が肉にしか見えません。
「僕が喰べてあげないと…」
そこに現れるのは、本作のヒロイン、霧島トーカ。
主人公をぶっとばし、気絶させて親友を食べるという窮地を救います。

目覚めた場所は、喰種がマスターをつとめる「あんていく」という喫茶店。
マスターと話す主人公は、親友とも一緒にいられない、喰種の世界でも生きられない、自分の居場所がどこにもないことに気づき、涙します。

その主人公に優しく声をかけるマスター

”どちらでもない”?
それは違う
君は”喰種”であり…
同時に”人間”でもあるんだ
ふたつの世界に居場所をもてる
ただ一人の存在なんだよ

東京喰種一巻

喰種捜査官との敵対と主人公の思い

主人公は、喰種として生きていく術を学んでいきます。
そして、物語は、次の展開に。
人間社会の護り手である喰種を駆逐する喰種捜査官との戦いにうつります。

主人公は、人を食糧として刈ることのできずに、あんていくで保護されている母娘と知り合い、交流を深めていきます。

一方、本作の隠れ主人公ともいえる喰種捜査官の亜門鋼太郎
特殊な出自をもつ彼は、喰種に対する義憤に燃えています。
そんな彼と、先輩捜査官は、主人公の目の前で、交流のあった母親を殺します。

彼ら捜査官はヒトの平和のために”喰種”を退治している…
世界的に排斥されるべきは”喰種”の方なんだ
悪いのは…
ヒトを殺して喰らう”喰種”じゃないか…
彼らは何一つ間違っていない…
間違ってなんか…
……僕は…
僕は何も出来なかった…

東京喰種二巻

元々、人間である主人公は、喰種捜査官のした行為について一定の理解を示しながらも、目の前で殺されたことについて、何も出来なかったことに、後悔し、涙します。
そして、捜査官を殺すことはできないけど、自分にも出来ることしたいと言って、赫子の使い方を、ヒロインから学ぶようになります。

本作の魅力と感想

捕食する側と捕食される側、刈る者と刈られる者
とても単純な敵対関係にあり、当然、人である僕らは、人間側から見て、喰種を排斥してしかるべきながら、主人公が、人間でありながら喰種という特殊な立場で、もがき苦しむ様、また、主人公の周りの喰種が、本当に魅力的で、喰種に感情移入をしてしまいます。
しかし、だからと言って、主人公が絶対というわけではなく、喰種捜査官も、その人物像、過去を丁寧に描いているから、人間も当然頑張ってくれと思います。そのバランス感覚が秀逸です。
人間と喰種、ふたつの世界に居場所をもつ主人公のアンバランスなバランスが物語に深みを与えているんですね。
そして、随所に張り巡らされる伏線が、後半、回収されていく様は、痛快です。

石田スイ先生の画力が、どんどんと向上していって、巻を重ねるごとに見やすくなるもの、また乙です。
先生の次回作を心待ちにしていますが、なかなか始まらないんですよね。
いつまでもお待ちしております。

映画化、アニメ化もされています

主人公の金木研は、窪田正孝さん
見ていないけれど、レビューは悪くないので、面白いのではないかと(笑)

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