【債権譲渡】異議なき承諾による抗弁の切断が廃止されました!

異議を留めない承諾と抗弁

旧民法468条1項は、債権譲渡について、債務者が異議を留めないで承諾をした場合には、譲渡人に対して対抗することができた事由(抗弁事由)があっても、これをもって譲受人に対抗することができないとされていました。
ここでいう抗弁事由とは、債務者が債権者に対して主張できる詐欺取消、錯誤無効、契約解除、弁済、消滅時効といったものです。

しかし、債務者が、債権譲渡時に、抗弁事由を認識していない場合もありますし、そもそも、債権譲渡の際に特に意識せず承諾してしまうということもありえます。
にもかかわらず、異議を留めていないというだけで、すべての抗弁を主張できないとするのは、債務者にとってあまりにも酷です。

この点、旧民法下でも、こういった不都合は問題となっており、判例は、悪意の譲受人に対しては、抗弁の切断を認めない扱いでした。

そこで、改正民法では、この異議を留めない承諾の制度が廃止されました。

抗弁権の放棄の意思表示

債権の譲受人としては、譲渡後に、債務者から抗弁の主張をされると、債権譲渡契約の目的を達成することができません。
そのため、債権譲渡にあたり、債務者に対し、抗弁権の存在の確認、抗弁権の放棄をしてもらうことが必要となる。

この抗弁権の放棄について、どのように行うべきか、明文上の定めはありませんが、後日の紛争防止の点から、書面によることが必要でしょう。また、放棄の意思表示が、抗弁権を特定する必要があるのか、それとも、包括的な放棄の意思表示で足りるのかは、今後の実務の集積を待つ必要があるでしょう。

文書作成者

佐藤 嘉寅

弁護士法人みなとパートナーズ代表

プロフィール

平成16年10月 弁護士登録
平成25年1月 弁護士法人みなとパートナーズを開設
得意分野:企業間のトラブル、債権回収全般、離婚、相続、交通事故、刑事弁護、サクラサイト被害などの消費者問題にも精通

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