【相続財産の調査方法】財産調査は現場から!関係機関への照会も有効です
核家族化が進んでいること、また、生前、親の財産について聞きずらいなどの事情、また、長期間別居生活をしている夫婦といった事情等、被相続人が突然亡くなった場合、、相続財産が分からないということはよくあります。
そこで、相続財産の調査方法について説明します。ご自身で調査するのが難しいようであれば、弁護士、司法書士にご相談ください。
資産の調査方法
預貯金
調査手続きは、まず現場から!
自宅を探せば、金融機関の通帳・カードが見つかるはずです。また、通帳・カードがなくても、金融機関からの郵便物が届いていることもあるはず。
こういった情報がなくても、各金融機関に対して、法定相続人が、問い合わせをして、預金残高証明書を取得する方法があります。この場合必要書類として、①被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、②相続人の戸籍謄本等が要求されるでしょう。詳細は、各金融機関に問い合わせをしてみてください。
金融機関と貸金庫契約をしている場合もありますので、確認をしてください。
不動産
自宅を探せば、登記済み権利証、登記識別情報通知、固定資産税の納税通知書が見つかる場合があります。
また、市区町村役場で、固定資産台帳(名寄帳)の申請を行って調べることも可能ですし、これが一番手っ取り早いです。
但し、固定資産台帳(名寄帳)を管理しているのは、各市区町村なので、不動産がありそうな各市区町村の役場(東京23区は都税事務所)に申請をする必要があります。
株式・投資信託・FXなど
自宅を探せば、証券会社、FX取り扱い会社等からの報告書や配当金の案内等の郵便物が見つかる場合があります。
また、通帳の履歴を確認すれば、配当金の送金がある場合があるため、証券会社等が分かります。
取引のある証券会社が分かれば、当該会社に連絡をして、相続開始時の取引残高報告書を作成してもらってください。
株券が自宅にある場合もありますから、株式発行会社に問い合わせをしてください。
公正証書遺言書
被相続人が公正証書遺言書を作成している場合がありますが、平成元年以降のものについては、日本公証人連合会の遺言書検索システムを利用して、検索することができます。遺言書検索システムにより、全国どこの公証役場で問い合わせいただいて大丈夫です。
遺言書の検索により、遺言書の有無とどこの公証役場に保管されているかが分かります。
どこに保管されているかが分かれば、その公証役場で謄写の請求をしてください。
なお、相続人が検索できるのは、遺言者の死亡後です。
自筆証書遺言書
令和2年7月10日から、自筆証書遺言書保管制度が始まり、遺言者の住所地、本籍地、所有不動産の所在地を管轄する法務局で、遺言書を預かってくれることになりました。被相続人が、この制度を利用している可能性があります。同制度で、法務局に、遺言書が保管されていれば、遺言者の死後、相続人は、全国の法務局で、遺言書が保管されているかどうかを調べることが可能です。「遺言書保管事実証明書」の交付を請求しましょう。
負債の調査方法
被相続人に借金があることも多々ありますので、負債の調査をすることも重要です。
こちらも、まずは現場で調査。
金融機関からの督促状、消費者金融のキャッシュカードがないか調査します。
通帳から自動引落になっている場合もあるので、履歴を確認しましょう。
銀行・クレジット会社・消費者金融に対する負債については、法定相続人が信用情報機関に対し開示請求をすることができます。
各社のホームページに開示請求の案内がありますので、確認してください。
全国銀行個人信用情報センター(全銀協)・・銀行、信組、信金、農協
株式会社CIC・・・・クレジット会社
株式会社日本信用情報機構(JICC)・・・消費者金融
保証債務
被相続人が、保証人となっている場合も良くあります。契約書がないか確認してください。
文書作成者
佐藤 嘉寅
弁護士法人みなとパートナーズ代表
プロフィール
平成16年10月 弁護士登録
平成25年1月 弁護士法人みなとパートナーズを開設
得意分野:企業間のトラブル、債権回収全般、離婚、相続、交通事故、刑事弁護、サクラサイト被害などの消費者問題にも精通
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