プロフィール

1372126_s1372125_m

当ブログに初めて来られた方、若しくは、弁護士佐藤嘉寅(とら先生)を詳しく知りたい方は、こちらをお読みください。

続きを読む

事務所案内

904117_161537234008382_1075881598_o904117_161537234008382_1075881598_o

みなとパートナーズは、弁護士、税理士、司法書士、社労士が在籍し、ワンストップによる総合的なサービスを提供しています。

続きを読む

取扱業務

207242_m②207242_m②

弁護士の行う個人向けサービス、法人向けサービスを説明しています。出張法律相談も行っていますので、ご利用ください。

続きを読む

よくあるご質問

2281991_m2281991_m

よくあるご質問について、相談前、離婚相談、相続・遺言相談、刑事弁護相談、債務整理相談について回答しています。

続きを読む

お問合せ

390537_m390537_m-1

お問合わせがある場合は、こちらに必要事項をご入力ください。
お急ぎの場合は、03-6206-9382 まで、お電話ください。

続きを読む

ブログ購読登録

336505_m336505_m

ブログを更新した場合、メールにてブログ更新情報をお知らせします。
是非、ご登録をお願いします。

続きを読む

カテゴリー

最近の投稿

⚖️「宗教2世」が旧統一教会を提訴──3.2億円の損害賠償を求めた理由とは

~「誰にも助けを求められなかった」子どもたちの声が、ついに司法の場へ~
#image_title

✍️「祝福」という呪いの名のもとに

親の期待を裏切るのが、なにより怖かった。
神様に反抗することと、親の教えに逆らうことは、同じ意味だったからだ。

「お前は祝福された子。特別な使命を与えられて生まれてきたんだよ」
そう言われて育った。小さな頃は、誇らしくも感じていた。
でも成長するにつれて、その「使命」がどんなに重く、自分を縛っているかに気づいた。

  • 好きな服を着るのも
  • テレビを見るのも
  • 友達と遊ぶことすら──

「サタンに心を許すな」と叱られた。誕生日プレゼントを欲しがったとき、母は泣いた。
「そんな世俗的なものに心を奪われたら、祝福が穢れるよ」と。

何かが違う。どこかおかしい。
でも、そんな疑問を口に出すことさえ、怖かった。
同級生の何気ない一言が、胸に突き刺さった。

「おまえんち、宗教の人なんだろ?近寄んなよ」
その日から、自分の存在は「隠すべきもの」になった。家でも、学校でも、どこにも自分の居場所はなかった。

そして、いつしか、心の奥に黒い影が宿り始めた。

「教祖って何なんだろう。あの人のせいで、全部壊れたんじゃないか……?」
憎しみは、いつも祈りの言葉のすぐそばにあった。
それでも、誰にも言えなかった。
なぜなら、世界のすべてが、信者の目をして自分を見ていたから。

(さらに…)

🔍「取調べ可視化」は進むのか?

──法務省報告書と日弁連声明

✍️ 取調室の沈黙

「いい加減にしろ。やったんだろ?」
テーブルの上に置かれた書類が、バサッと音を立てて広げられた。
自分の名前が、黒々と印字されている。まるでそれだけで、すべてが決まったような気がして、手のひらがじっとりと汗ばむ。

「証拠がある。もう観念しろよ。否認するってのは、反省してないってことだぞ?」
目の前の警察官は、長時間の取調べで苛立ちを隠さない。
けれど、それより怖いのは、こちらが何を言っても、まるで聞く耳を持っていないことだ。

「俺じゃありません。本当に……」
口にした瞬間、その声の弱さに自分自身が愕然とする。自信なんて、とっくに削り取られていた。

「だったら、どうしてあの日、そこにいた?」
「……通りがかっただけで……」
「はい嘘。いい加減にしないと、反省の色がないって調書に書くぞ?」
書かれる。言葉一つで、まるで自分の人格が上書きされていく。

「……録音とか、録画とか……ないんですか?」
ふと口にした言葉に、警察官がピクリと眉を動かす。

「そんなもん、必要ないんだよ。お前が素直に認めりゃ済む話だ」
静まり返った部屋の中で、ボールペンの音だけが響いた。

(さらに…)

📘「65歳の壁」に初の最高裁判断──介護保険優先とされたその意味とは?

✍️ 「線を引くのは、私たちなんでしょうか」

窓口で、高齢の男性が静かに書類を見つめていた。
指先は震え、目はうまく焦点を合わせられずにいる。
隣にいたヘルパーが代筆しようとしたそのとき、男性がぽつりとつぶやいた。

「介護じゃ、できないんです。今までの支援が、必要なんです」

……わかっている。
私は、彼がどれだけの不便と向き合ってきたかを、少なくとも書類上では知っている。
だけど、制度は変わらない。
65歳を過ぎたその日から、障害者総合支援法ではなく、介護保険法が優先される。
支援の枠は狭くなり、利用料の自己負担も重くなる。

「申し訳ありませんが、これは国の制度でして……」

その言葉を口にするたび、少しずつ自分の声が他人のように聞こえるようになった。
私は、ただの窓口係なのか?
それとも──誰かの生活を「切る」ために、ここにいるのか?

「制度の狭間に落ちる人を、どうすれば拾えるのか」

その問いは、未だに私の中で答えを持たないままだ。

(さらに…)

📚「もう嘘は必要ありません」──湖東事件にみる冤罪の構造と司法の課題

✍️ 彼の顔が、笑った気がした──

「……そう。私が、チューブを外したの。」
その瞬間、彼の眉が少しだけ上がって、口角が動いた。
あ、少し、笑った──そう思った。
それだけで、胸の奥がじんわりあったかくなって、苦しかった部屋の空気が、少し和らいだ気がした。

ほんとは、ちがう。やってない。
でも、そんなの、もうどうでもよかったのかもしれない。
だって、毎日ずっと、怒られないように、否定しないように、嫌われないように……そんなことばっかり考えてた。

怖かったけど、でも、あの人がやさしい声で名前を呼んでくれると、
「ありがとう」と言ってくれると、それだけで、わたし、ここにいてもいいんだって思えた。

だから──
彼が望むように話せば、もっと喜んでくれるかもしれないって、そんな気がして、言った。

「はい、わたしが……やりました」

嘘だった。
でも、あのときの彼の目は、本当に優しかった。
それだけは、本当だったと、今でも思ってしまう。

(さらに…)

🟥 防衛省セクハラ訴訟、国に賠償命令

──「職場外」でも公務と判断した裁判所の眼

「あの人の手は、今も私の記憶に残っている──」

判決の日、傍聴席に座ることはできなかった。
けれど、弁護士から「国に対して賠償命令が出ました」と聞いた瞬間──
心の中に張りつめていた膜が、ふっと音もなく破れたような気がした。

本当に、終わるんだろうか。
それとも、やっと始まっただけなのか。

あの人の手は、今も私の記憶に残っている。
何も言えず、言えば自分が壊れるようで、笑って流すしかなかったあの瞬間たち。
休みの日まで「断れない」ことを、誰が分かってくれるだろう。

「公務ではない」と言われたときの、あの悔しさ。
職場で起きたことじゃないから、仕方ないのか──って、自分に言い聞かせるようになっていた。

でも、裁判所は、違った。
「職務に付随する行為」と言ってくれた。

私の“沈黙”が、私の“せい”じゃなかったと。
私が壊れてしまった理由を、誰かが初めて、言葉にしてくれた気がした。

(さらに…)

🎯「ガーシー訴訟」一審取り消しの波紋

~送達の失敗が裁判を無効にする理由とは~

🕊️ 正義の前に、送達があった──差し戻し判決に沈む静寂

判決文を閉じた弁護士の口から、その言葉が出たとき
一瞬、意味が理解できなかった。

「……差し戻し、ですか?」

自分の声が少し上ずっていた。
弁護士は静かにうなずき、補足する。
「送達が違法だったという判断です。高裁としては、一審判決は維持できないと」

名誉毀損は認められたはずだった。
でも、それより前に、「手続が正しくなかった」ことが裁かれた。

「つまり……もう一度、最初からやり直し……?」

SNSで晒されたあの日から、ようやく勝ち取ったはずの司法の答えが、
手続の瑕疵ひとつで、すべて仕切り直しになるなんて。

一審で、訴状は送達できなかった。地裁の指示にしたがって、現地調査も行った。
そして、地裁が認めた公示送達のはずだった。
それでも、高裁は「調査が足りなかった」と言う。

「やり直すしか……ないんですね」

弁護士の返事は、なかった。
ただ、机の上に重ねられた書類の束が、すべてを物語っていた。

(さらに…)

「業務委託」のはずが労働契約?──キャバクラ判決から学ぶ、労働者性の“リアル”

💬「あの時間は、なかったことにされるんですか?」

静かな相談室。
女性は細い指でハンドバッグのファスナーをいじりながら、俯いたまま言った。
「……ちゃんと働いてました。週5で。お店のシフトに合わせて、遅刻しないように通って、指名も取って、売上だって……」
声がかすれる。

弁護士は、メモ帳にゆっくりとペンを走らせながら、彼女の言葉を遮らずに聞いていた。

「でも……契約書には“業務委託”って書いてあるんです。個人事業主って。だから、給料も保証されないって……」
彼女は、自分が“誰にも雇われていなかったこと”にされていることに、戸惑っていた。
「それって、本当に正しいんでしょうか? だって……店のマネージャーがシフト決めてたし、遅刻したらペナルティあって……」

弁護士は、書きかけのメモから顔を上げた。
目はまっすぐ、しかしやわらかく、彼女を見つめた。
「“どう書いてあるか”より、“どう働いていたか”の方が重要です」

彼女が、少し目を見開いた。

(さらに…)

痴漢行為と懲戒処分──「私生活の非行」はどこまで企業秩序に影響するか?

📌「バレたらクビなんです」──留置場で揺れる嘘と真実

留置場の奥、ガラス越しの接見室。
男は、手を小刻みに震わせながら弁護士を見つめていた。
精神的な混乱は、見た目以上に深いようだった。

「先生……これ、会社に知られたら……たぶん、終わりです。解雇ですよね……?」

弁護士は、沈黙のあと、静かに応じる。

「被疑事実は述べていないでしょうが、警察から会社に連絡はいっているでしょう。いずれにしろ、いずれ知られます。」

男は顔を伏せたまま、言葉を継ぐ。

「……だったら……“やってない”って言った方がいいんでしょうか。痴漢なんてしてないって──」

(さらに…)

🎰 オンラインカジノ事件が問う「企業秩序」と私生活の境界線

「パパがテレビに出てた」──娘が見た崩壊の一日

教室の空気が変わったのは、昼休みだった。スマホを見ていた友達が、小さく息をのんだ。
すぐに別の子が画面を覗き込んで──
次の瞬間、わたしの名前が小声でささやかれた。

「ねぇ……これって、○○ちゃんのパパじゃない?」

見せられたニュースサイトには、見覚えのある名前。そして、信じたくない言葉が並んでいた。

「○○テレビ社員を常習賭博容疑で逮捕」
「オンラインカジノで1億7千万円を賭けた」
「会社への虚偽説明、懲戒処分後も継続」

目の前が、ぐにゃりと歪んだ。声も出なかった。

家ではあまりしゃべらない人だったけど、わたしの誕生日にはケーキを買って帰ってきてくれた。
お仕事の話は難しくて分からなかったけど、「パパ、テレビ作ってるんだぞ」って笑ってた。
わたしは、それがちょっと誇らしかった。

でも、今テレビに映ってるパパは、番組を作る人じゃなくて、ニュースに“出てる”人だった。

(さらに…)

🛡️公益通報者は誰が守る?

──法改正と和歌山市職員の自死から見える課題


#image_title

🌃「正しいことをしたはずだったのに」

窓の外で、セミが鳴いていた。
職場の冷房は古く、書類の間に湿気がこもる。そんな小さな不快さが、妙に身体にまとわりつく午後だった。
岩田(仮名)は、児童館の一角でひとり、PC画面を睨んでいた。

上司の指示で作らされた“架空の出張申請”。
実施されていない行事、記録だけの活動報告──
「うちは、こういうの昔からやってるから」
軽く言われた言葉が、今も耳に残る。誰にも言えなかった。
若手で異動したばかりの自分に、逆らえるはずがない。
でも、子どもたちのために働きたいと願った気持ちを、
こんな嘘で汚すことだけは、どうしてもできなかった。
通報を決意した日の夜、手は震えていた。

でも、「これで変わるかもしれない」と思った。
そう信じたかった。

けれど──
その後、職場は何も変わらなかった。
いや、むしろ悪くなった。
挨拶をしても、返されない。
飲み会の案内は届かず、報告書は何度も差し戻された。
一度、コピー室で書類を落としたとき、上司はそれを見ても、拾おうとしなかった。
「君は、職場の空気を壊したんだよ」
そう言われた気がして、何も言い返せなかった。
正しいことをしたはずだったのに──
その思いだけが、毎日少しずつ、彼を締めつけていった。

(さらに…)
PAGE TOP